「信じ難いな…」

蛮でさえ疑念を禁じ得ない。

「時間操作なんて、神秘中の神秘、大魔術中の大魔術だ…それを、幾らバルトメロイ会長とはいえ、過去にお前を送り返せるほどのレベルで行使できるなんて…先代先々代の魔道協会会長でさえ、そこまでの魔力を持つ人はいなかった」

「いやいやだからな、未来のバルトメロイはそのレベルに達して、死って概念さえ捻じ曲げるほどの強さになっててだな…」

『勇み足だったな、龍一郎』

身の内で禿鷲が笑いを堪える。

『こういうのを時期尚早と言うのだ。何も知らぬこいつらが信用するには、材料が少なすぎる』

確かに禿鷲の言う通りではある。

だが、事態は最早龍一郎1人では手に負えないのだ。

何とか協力者を見つけ、共に解決の方法を模索しなければならない。