あまりにも改変され過ぎた歴史を進めるよりも、いっその事ゼロに戻し、1から作り直そう。

世界はそう判断するというのだ。

そして、それこそが龍一郎達を過去に送り返した者の目的。

ゼロに戻せば、それより先の未来は全てなくなる。

グリフィノー兄弟が軍事国家を打倒したという未来も。

「あなた達はこの世界にとって爆弾なんです。世界そのものを吹き飛ばす爆弾」

『…俺達を、元の時代に戻す事は出来ないのか。俺達がいるから、この世界は狂うのだろう?』

「…残念ながら、僕にはそこまでの力はありません。修練を続けて、ようやく短時間の時間操作が行使できるようになったばかりですから…」

そう言うルカの爪先から、光の粒子が立ち昇り始めている。

過去に戻っていられる限界時間に到達したのだ。