「はい」

蒲公英は、蛮にも弁当箱を差し出す。

「これは真久部っちのね」

「……僕に…?」

キョトンとした顔で呟く蛮。

「よかったな蛮!我が妹ながら、蒲公英の飯は美味ぇぞ!」

ちくわの磯部揚げを頬張りながら、龍一郎が言う。

「ぽぽちゃんは優しいからね…私なら、絶対蛮には作ってこないけど」

いちいち辛辣なルナ。

「すまない…有り難う…」

他人の厚意というのは嬉しいものだ。

素直に受け取り、感謝の言葉を述べる蛮。