少し遅くなってしまった帰り道
わたしの家は学校から案外近い。
10分くらいで着いてしまう距離だ。
それに学校の門から出て真っ直ぐ進み横に曲がるだけの道のり。
そしてあっという間に家に着いてしまった。
真っ白の少し大きな一軒家。
白い玄関の扉を開ける途中、隣の家からわいわいとした声が聞こえきた。
そう、わたしの好きな人が住んでいる 風間家である。
今はどうしても聞きたくなかったから耳を塞いで扉を閉めた。
ホッとしてふぅと一息ついた。
「お母さん、ただいまーっ!」
するとしばらくして、玄関までお母さんが歩いてくるのが見えた。
「遅かったわね、星矢くん来てるわよ?」

