「あなたは誰なの?」
彼のことを何も知らない私は、彼に問いた。
「2年の城之内 玲だよ」
「え?同級生だったんだ。背高いから先輩かなって思ってた」
「で、お前は誰?」
「あなたと同級生の白石 あかり」
そして軽く自己紹介を終えたあと、わたしはずっと気になっていた質問をした。
「なんで泣いてたの?」
そう聞くと、彼の顔が少し曇り、そのあと不自然にニコッと笑って俯いてしまった。
もしかして聞かれたくなかったのかな。
「ごめん、聞かれたくないよね泣いてた理由とかって」
「……いーや、別に全然大したことないから言いたくなかっただけだ。ごめんな」
男だし、大したことない理由で泣いてたなんて知られたりするのきっと嫌なんだよね。
「そっかそっか、了解…っ!」
その話は自然的に終わり、話すことも無くなったわたしたちは帰る方向へと向かった。
「じゃあバイバイ」
「じゃあな」
きっと私たちが会うことわもうない。

