人気のない校舎裏に着くと、少し安心したのと同時に涙がさっきより溢れ出た。
だけど涙を止めようとすればするほど、涙は溢れていった。
「「なんで?」」
わたしの声と同時に重なった誰かの声が右側から確かに聞こえた。
……誰?
どうしよう、泣いてる顔見られた?
おそるおそる右に振り返えった。
だけど、そこにわ黒髮が印象的で涙でぐしゃぐしゃになっていた男の子の姿があった。
そして彼も私を見てキョトンとして驚いていた。
「ぷっ…あははは…っ!」
わたしの顔からは自分でも驚くほどの笑みが溢れていた。
さっきまで泣いてたはずだったのに…
でもこの人のぐしゃぐしゃになった泣き顔見てたら、笑ってはいられなかった。
「あっははは…っ!」
すると彼も私に続いて、私の顔を見て腹を抱えて笑っていた。

