ご最もな陽斗の意見に言葉は見つからない。
「とにかく今は訳分かってなくても。
とりあえず姫さんにその悩み事ってやつを全部言ってくること」
「えええ!?」
「ほら急げっ。
早くしないと余鈴鳴るぞ?」
「それなら後ででも……っ」
「駄目だ」
力では余裕で負けるため陽斗に背中を押されるまま戻ることは拒否された……。
仕方無く颯姫に会いに行くために歩く足取りが……
こんなに重かったことは無かった。
「……颯姫」
「宏……っ」
颯姫のクラスに着いた時、ちょうど彼女はドアの近くにいた。
オレより先に……学校に着いていたよう。
「……ちょっと、その……話が……」
「……今は、嫌」
「……っ、」
ストレートな拒絶にたじろぐ。
でもどうしてか今、引き留めるべきだと本能が訴えた。
「オレは……今じゃなきゃ嫌なんだ」
颯姫に放ったことのない少し強めの口調で語りかけた。
「宏……」
「少しで……いいから……」
「……分かった」
そして人気の少ない階段の踊り場へ。
沈黙を割く自分の声がやけに響いた気がした。
「……この前……颯姫がオレに何かあるよねって聞いてくた時あったじゃん?」
「……うん」
「その時オレ……隠し事してた」
「……隠し……事?」
「……うん。
恥ずかしい話さ、オレは颯姫を笑顔にする方法1つ分からなくて……
颯姫のために何が出来るかなって……
そればっかり考えてた」
情けないことなのに……
颯姫に伝えたい言葉は止めどなく溢れてくる。
「そのことを颯姫に言うのが情けなくて……
それで何でもないって言い張ってた……」



