「よし、着いたぞ。」
それからしばらくして、お父さんは
あるマンションの前で車を止めた。
私も横にしていた身体を起こして
車の外に出る。
「今日からここが俺たち家族の家だ。」
「…。」
お父さんはそう言いながら、
マンションの3階部分を指差す。
「ここからなら、ひよりの
学校もお父さんの職場も
近いから丁度いいと思って♪
ほらひより、荷物運び出すの手伝って。
大っきな荷物は後から
業者が持って来てくれるから。」
「は〜い…。」
私はお母さんの言葉に
嫌々ながら応えると、
トランクに積んであった
自分のバッグを持って
3階へと向かった。

