街を歩き、閉鎖された城の門の前に立つ。鉄柵の中では王兵たちが忙しく駆け回っており、見知った来訪者にはまるで目もくれなかった。



「あぁ、ルーク様!」



やがてボクに気づいた王兵が門の手前まで歩を進め、申し訳なさそうに眉を下げた。



「現在、アーノルド様とのご対面は不可能です。その、なんというか……」

「殺されたんだって?」



率直に聞くと、王兵はうつむいて小さく首を縦に振った。



「……やはり知れ渡っていますか。

昨夜のことです。ルーク様はご存知でしょうが、アーノルド様の寝室は城の最上階で部外者がやすやすと行けるような場所ではございません。

昨日は来訪者は一人もおりませんでしたし、今は王兵が調査を行なっていますが……」

「せめて死に顔を見るだけでも許されないか?」

「……確認して参ります」



そう言って比較的やわらかな態度の王兵は城の奥に姿を消した。城の前を通る人々は物珍しげにボクを眺めている。

中には、ひそひそとアーノルドの手先だなんだと陰口を叩く者もいた。


彼らの言葉に耳を澄ませて佇んでいたとき、王兵が足早に戻った。