岩城の言う通りだと思うのに、今までそれに気づくこともなく、絵里花は自分の無自覚がとても恥ずかしくなった。

絵里花が美人だからとチヤホヤしない岩城の言動は、とても辛辣で厳しいものだったが、逆に絵里花の心に大きな響きをもたらした。


「……すみません。今日はこの後、慎重に作業に当たって、明日はキチンと短くしてきます」


小さくなって、絵里花が改心の弁を述べる。
それを聞いた岩城がどんな表情を見せたのか……、分厚いレンズのメガネに阻まれて確認できなかった。