歌舞伎町の風林会館の横を通り過ぎて、LEEビルの中に入っていった。
エレベーターで7階まで上がり、エレベーターのドアが、開き目の前に

「ラウンジ 樹里A」の看板があった。

中に入ると55,6歳のママがカウンター入っていた。

「久しぶりやな 元気か? 店、なかなか繁昌しているな!」

「おかげさまで」

「それよりこいつ、若手の芸人なんやけど、どう思う?」

ママは、水割りを作るのを止めて、じっと、僕を見た。
目の大きいママが見つめると、何か催眠術にかかったように、
身体が動かなくなった。目力の強いママだ。数秒間見て

「まだ死んでないから、いけるでしょ?」

僕は、何のことか?全くわからなかった。
実はこのママは、昔、ストリップ劇場の踊り子だった。
長年、いろんな芸人を見てきたので空気で読めた。