初舞台だ!
ネタは覚えているから、大丈夫だろ?
僕が、出るとなると楽屋中、話が伝わった。
照明室、舞台袖には、踊り子さん、支配人まで見に来た。
舞台に出る前だのに、凄く緊張してきた。
足がガクガク震えている。
足を止めないと・・・・・・・
山ちゃんが、後ろから

「手に下がると、文字を指で、三回書け。それを飲み込め。」

「?」

「あがらない魔法だから」

慌ててやってみた。
なんか気分的に落ち着いたような気がした。
前の踊り子さんが、帰ってきた。
最初に僕が出る。


場内は静まっている。
照明室で踊り子連中は、見ていた。

「今日、伸ちゃん初舞台でしょ?私まで緊張してきた」

踊り子の舞姉さんが言った。

「あとは、山ちゃんがどう料理するかだな?」

とにかく台詞を忘れないように!そんな事ばかり気にしていた。

「まあ静まりかえっているのをどう耐えるかだな」