弟子の仕事を取られたから、師匠から怒られたのはお前のせいだと言う睨み方だった。

「気分いいから、兄ちゃん、もう一本持ってきて」

「はい」

ビールを取りに行っている後ろでは、師匠に弟子は、説教されていた。

「お前、なんで素人より気がつかないんだよ。」

芸人になる秘訣は、気のつく人だと学習した。
それをやる為、他のお客のもタバコや酒を注いだ。

「ありがとう」と言う言葉が嬉しかった。

寮に帰ると須藤さんが、帰っていた。

「今日は暇か?と言っても、いつも、サウナと寮の往復だものな。
ちょいとついて来いや、飯でも食おう。」

「え?」

「俺が奢るよ。」

「ありがとうございます」

「その前に、ちょいとよるところあるから着いて来い」

「はい」