間一髪でドアが
閉まった。
空いている座席を
探し、一番端の席に座り込んだ。

「なんで、こんな時に寝坊するのだよ！」

緊張感が解けた後、汗が流れ落ちた。
息ができないぐらい、全速力で走った。ふと、あの時を思い出した。
中学生３年生の
マラソン大会。
１０ｋｍの距離を
最初から、全速力で走った。
気持ちは、１００ｍ走の速さだった。
回りの歓声が、よく聞こえる。
最初に学年主任の
高田先生が僕を見つける。