「あ~夢か? 昨日は、飲みすぎたな!」

冷蔵庫から水の
ペットボトルを取り出し、常備薬を
飲もうとした時に
ふと気がついた。

「しまった! 
やばい!」

今日は13時から、年に1回の大きな
漫才コンテストの
第一予選の日だった。
これで優勝したら
今朝の夢の世界と
同じになる。
携帯電話の時間を
見た。

「12時15分」

慌てて家を出た。
走りながら駅に
向かった。
周りの光景がコマ
送りで見えてくる。駅に着き改札を抜け、地下鉄の
エスカレーターから衣装ケースを抱えて、走りこんで来る。
「やばい~、頼む~閉まるな!これを
逃したら、全てが
終わりになって
しまう。」