「都合が悪くなったら、うまい事、逃げますね~あははは。」

ちょうど、そこへテンポ・アップの長谷部が入ってきた。

「おはようございます。」

昼でも夜中でも、この挨拶をするのが、この業界のしきたりだ。

「今日は、出番か?」

「ドラマの打ち合わせです。」

「忙しそうだな~」

「暇ですよ。師匠の方が、忙しいでしょう?僕ら、レギュラー無いですし、
この間の番組、見ましたよ。」

「あれか?結構、反響あったよ!お前ら、最近、よくテレビに出ているな?」

「そんな事は、無いですよ。」

「もう豪邸を建てただろ?」

「犬小屋も建ててないですよ。」


「今夜、時間は空いている?」

「すみません、夜、ドラマの打ち合わせがあるんで・・・
それでは、お先に失礼します。お疲れ様でした。」