「伸一、ごめんね。」

母の涙が、ここにいない伸一に伝わった。

「やっと会えたね。まだ、僕のステージは終わってないよ!終わらせないよ!
今度、生まれ変わる時は、やっぱり芸人でいたい絶対に!」

伸一の終わらないステージがまた始まった。
母はどこかで僕の声が聞こえたように頷いた。

「僕を産んでくれてありがとう」


           完