その瞬間、身体の力が抜けていく。力が入らない。

健太は上から覗いている。
いつも横にいる相棒がいない。自分の目線から消えた。
下から見る、マイクスタンドが大きく見える。
健太は焦っている。

「続けろ!まだ舞台は終わってない。」小声で相棒に伝えた。

相棒は、寝ている俺を突っ込んだ。


「何をしているの?昨日、寝てないから代わりに、今、寝ているのか?」

どっとまた大きな笑いがきた。大きな笑いが聞こえている。
俺は笑顔になる。