あの時を思い出したのである。

中学の時、学校から帰ると、親父が、首を吊っていた。
その時の事柄が、走馬灯のごとく出てきた。
親父は、会社が倒産して生きていく術が無くなり、首を吊った。
それが原因で、この世界に入ったきっかけだった。
汚い手を使っても金が欲しかった。金があれば親父は、死ななかった。

「何で、俺の周りは皆、金で苦しむんだ!」

また胃が痛む。汗が出る。震えが止まらない。

「あの100万は、香典がわりだ」

「すまん」

「・・・・・・・・・・」

葬儀の後、森とあった。

「お前は生きろよ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」