お客の笑い声がある度に、敏感になり、耳に自然と入ってくる。
一度、舞台に、出てしまえば、気が楽になる。
出る前は、何十年たっても楽じゃない。一流でもそうだ。
平然としていても心の中は、全く違う。
また、前の舞台が、全然受けてないのも辛い。
まだ、舞台にも出ていないのに、ネタが、ウケないのじゃないかと
錯覚し始める。舞台袖で、自分のリズムを何度も、繰り返す。
このリズムのタイミングをはずすと、全て空回りする。
タイミングが良ければ、心地良い緊張感だ。
いつも受けているネタでもそうだが、笑いは、やはり生き物である。
たかが、3分間のネタをやるのに、何十時間も仕事をしている
気分である。長年、この世界にいると、3分間の良さも怖さも全て知っている。
3分間の舞台が終わった後は、サウナに入ったぐらい、汗で、衣装がびっしょり濡れる。