とにかく順子を忘れたい為に、全てをクリアーにする為に。
もう順子みたいな女性は、現れない。
次第と自然と仕事も少なくなってきた。
もちろん楽屋では、もう売れない芸人に戻ったな~と噂が出てきた。
気持ちは「飲む・打つ・買う」をやれば芸人でいられると思っていた。
周りの芸人は、ドンドン近づかなくなった。
仕事が無くなり、恋人も無くなり、ドンドン周りから人が、
いなくなっていく。でも芸人は辞めなかった。
過去の栄光だけにしがみついていた。
家には、ほとんど帰らず、女の家で寝泊りしていた。
帰るのが、怖かった。一人になるのが怖かった。
誰か、そばにいてくれないと自分が、もっと駄目になってしまうと
思った。