今、一番乗りに乗っているコンビと芸人仲間の間でも噂になってきた。
でも順子は、いつも何か不安な顔だった。
九州の営業に行く前日に結婚指輪を渡した。嬉しそうに眺めていた。

「これから行ってくるから帰ったら結婚しよう」順子は、微笑んだ。

「いってらっしゃい」

九州の営業から帰ってきたら部屋が、真っ暗だった。

「只今!」

部屋の明かりをつけたら、順子の姿がない。

「どこか買い物でも、行っているのかな?」

ふとテーブルを見ると、一通の封筒があった。
封筒を開けてみた。順子からの手紙だった。

「今までありがとう。指輪を貰って、結婚しようと言ってくれた事は、
凄く嬉しかった。本当は、すぐでも結婚したかった。でも・・・・
貴方にこれ以上、負担かけたくないし、芸人として
売れてきているのに、離婚暦あって、歳も離れている私が、
この先、貴方の足を引っぱるのじゃないかな?とずっと思っていた。
今でも大好きだし、愛している。
でも・・・・・自信が無くて・・・売れていく事で、私から離れて遠くに、
行ってしまうと思ってしまう。我が儘な私でゴメンね。
さようなら         順子より」

俺はひざまずいた。