芸人

「順子～俺が悪かった！俺が、仕事もまともにせず、暴力して、
遊んでばかりで、家に生活費を入れないで、そんな事をしていたら、
逃げられて、当然だよな～馬鹿だよ！俺は、大馬鹿やろうだよな！
どこも行かずに、ずっと家で待っているのに、家に、帰らず女の家に
行って・・・・・でも好きだった。俺の我が儘なのはよくわかっている。
あんないい女を取られたくなかった。だから・・・・・
それに、今までの男はすぐ金を出していた。
順子を俺みたいな男にだまされたくなかった。
だから・・・・・だから・・・・・・・・・・・お前は、違う！
本当に順子を愛している。だから気に入った！
最初は、順子が付き合っているのが、芸人と聞いて、順子が、
遊ばれると思っていた。だから、お前と一晩、一緒にいたかった。
順子が惚れた男をこの目で見てみたかった。」

いきなり財布から一万円出して俺の手に両手で握り締めさせた。

「少ないけど、これで帰れ！」

「いいですよ！」

「電車でなんか帰るな！けちるな！芸人はタクシーで帰れ！」

「本当いいですよ！」

「いいから帰れ！順子を絶対、幸福にしろよ！
不幸にしたら俺はいつでもお前のところに飛んでいくからな！
順子を頼むぞ！帰れ！最後に順子に言ってくれ！今まで悪かったな。
俺はこれから、まともになっていくから、順子は幸せになってくれ！」

全て終わった。元旦那の本音を聞いて、なんか切なくなった。