「もしもし」

携帯電話を持って、慌てて楽屋から外に出た。

「大丈夫?」

「大丈夫じゃないよ!あの男は、誰だよ!順子が言っていた話が
全然違うだろ?一人住まいていっていたでしょう?
離婚したて言っていたでしょう?
だのになんで・・・・・・あの男は誰?誰なんだよ!
離婚なんて、最初からしていなかったのでしょう?
俺、何がなんだかわからないよ!あいつ、誰なんだ!」

咳を切ったように、まくし立てあげた。

「・・・・・・・・・・・・・・」

電話の向こうで泣いている声が聞こえる。

「違う、違う・・・・嘘じゃない。ちゃんと離婚はしている。」

「じゃあ、あの男は誰?」

「前の旦那。」

「前の旦那? もう離婚しているのに、何で来るの?」

「離婚してからずっと、付きまとわれていた。彼氏できても必ず
邪魔をしにやってくる。引越しても、場所を探してやってくる。
だからいつ来るかわからないから、自宅に呼べなかった。
でも、今度は大丈夫と思っていたのに・・・・」

「本当に元旦那なの?」

「うん」

一瞬、無言になった。元旦那なら勝てる!順子を守れる。
順子を信じた。