「やっと出る」

腰が90度にまがり老人の姿のような格好になっている。
汗が流れ落ちる。

「まだか? 早く出ろ!」と心で叫んだ。

次の音で怒りが出た。

「ゴシゴシ」

中で歯を磨いている。
こんな所で歯を磨きやがって!
怒りでドアを蹴った!
その瞬間、全身に雷が落ちたような感覚になった。
ドアが開いた。
中からスッキリしたサラリーマンが、歯を磨きながら出てきた。
怒りが冷め、呆然となった。
とりあえず、トイレに入った。
頭の中は真っ白で、ズボンを脱ぐのが怖かった。
冷静になりトイレを出た。
事務所に電話を入れた。
すでに電車の時間は過ぎていた。