運命に逆らえない恋人たち

「昨日はあんなに寒かったのに、
今日は暖かいねぇ」
母が、私の車椅子をおす。
母の作ったサンドイッチを、
私は口に放り込む。
(なつかしい...)
ふと、そう思った。
サンドイッチは美味しいが、
なにかものたりなかった。
「きなこ」
どこからか、人の声がした。