運命に逆らえない恋人たち

(暖かいよ...)
「心が、寒いんだね」
健が、私にそう言った。
「親と離れて、友達と離れて、
大切な記憶も、辛い記憶も、
徐々に消えていってしまう。
それは、とても寂しいよね」
「そうなのじゃ?」
きなこが、不思議そうに首をかしげる。
「きなこだって、
ひとりぼっちは悲しいし、
寒いだろ?」