あれから、予定が合うと、ちょこちょこ会うようになった。
でも数える程しか会えてない。
なんかあの子は忙しそうだから。
連絡が無いと、気が気でない。
勉強も手につかない。
下手するといつも備えてた抜き打ちテストも忘れるくらいだった。
二階堂に、
「お前最近おかしいぞ」
と言われたくらいだが、上の空の空返事の、
「ああ」
しか言えなかった。
いつからか、あの子の事が、あの子の柔らかい笑顔が、四六時中思い出され、離れない。
つらか、ほく僕はあの子に、恋をしてしまっんだと思う。
そんな気持ちは初めてで、受け入れにくいものもあったけど。
テストの成績が落ちた。
先生がいつもと違うのに気付いて、
「お前ならもうちょっと取れるだろう」
と言って来たけど、数字でやっぱ決められるんだなぁと思った。

そして、また会えた時、
「僕最近テストがおかしくてさー、点が前より取れないんだ。君と会いだしてから」
「それって私と会うから?私のせいですか?」
聖歌は素で真顔になってた。
「いや、そういう事じゃな」
僕の言葉を遮って、
「私の存在が、あなたを邪魔してるんですか?あなたは進学校ですもんね。勉強の邪魔になりますもんね」
「違……っ!!」
「楽しくて癒されてたのは私の自己満足でしたか……。なら消えます」
聖歌は涙目になりながら去ろうとした。
「ちょ……、待てよ!!」
僕は聖歌の腕を掴んだ。