何だかんだ父とシバケンは似ている。酔うと自分勝手に動くシバケンは父にそっくりだ。こうなると私の言葉なんてちっとも届かない。母はそんな二人を楽しそうに見ている。
ドラマに夢中になっていると、気がつけば部屋は静かになっていた。いつの間にか父はソファーで寝ているし、シバケンは床でいびきをかいて寝ている。
テーブルの上のお皿を片付けるためにキッチンへ行くと母は食器を洗っていた。
「二人とも寝ちゃった」
「あら、呆れた」
やかましい食事会はあっさり終わった。けれど総じて楽しかった。
「男二人を動かすのは大変だから、もう少し寝かせときましょう。実弥は先にお風呂入ってくれば?」
「シバケンは客間で寝てもらうの? 布団敷いてこようか?」
「じゃあお願い」
階段を上りかけたとき、「みやぁ」と寝ぼけた声がした。振り向くとシバケンがリビングから顔を出していた。
「起きたの? 今布団敷いてくるんだけど、先にお風呂入る?」
「あー、布団敷くの手伝う……」
「そう?」
シバケンは私の後ろについてゆっくり階段を上がってきた。
父が事故に遭って以来、2階にあった両親の寝室を1階の客間に変えた。寝室だった部屋を客間にしたため、今夜シバケンが寝る部屋は私の部屋の向かいだ。
「ベッドじゃなくてごめんね」
敷き布団の上にシーツをかけて枕を置いた。
「羽毛だけじゃ寒いかな? 上に毛布もかける?」
押入れから毛布を取ろうとした瞬間、後ろからシバケンに抱きしめられた。
「ちょっとシバケン?」
引き剥がそうともがくとシバケンの腕はますます私を締め付ける。
「実弥……」
囁くように名前を呼ばれ、うなじにキスをされた。抵抗するとシバケンは私を抱いたまま体をひねって布団に押し倒した。
「だめだって!」



