キーンコーンカーンコーン

…バタバタバタバタ!

「心夢ちゃん!うち、唯(ゆい)!よろしくね〜!」

「……。」

この子はボブヘヤーがとても似合う、桐谷(きりたに)唯ちゃん。
その隣には、長いストレートヘアが特徴の佐倉 伊織(さくら いおり)ちゃん。

「私のことは、伊織でいいから。
よろしくね、心夢。」

「…うん。」

2人共とっても優しそう。
でも…私は1人でいる、誰とも関わらない。そう決めたから。

「ねね、心夢ちゃん?
さっきから右側を見てるみたいだけど、気になってる人とかいるの?」

「……。」

「心夢?」

「あ、うん。何でもないよ。」

私は、それだけいい席を立った。

向かう場所はただ1つ。
さっきから気になっていた、彼の席だ。