先輩、俺だけ見てて。





その日の授業も終わり、絢香と一緒に歩いていると、下駄箱の所で誰かに呼び止められた。



「井上先輩!」



な、何事!?



1年生に知り合いもいなかったので驚いて振り返ると、そこには身長の高いイケメンが立っていた。



だ、誰だろう...?



全く見覚えがない。



イケメンは一度視線を下げると、緊張しているのか深呼吸をしてから口を開いた。



「あの...今、時間ありますか?」



その言葉に、びっくりして絢香の方を見る。




「...なんでこっち見るのよ。桜でしょ」

「う、うん、そうだね...」



絢香に言われて、私はぎこちなく彼の方に歩いて行った。