田中くんが見えなくなると、一気に気が抜けてズルズルと地面に座り込む。
田中くん......
いい子過ぎる......!
最後ありがとうって言ったよ!?
私だったら振られた相手にそんなこと言えるかな...。いや、きっと言えない。
少ししか話はしていないけれど、彼が真面目でいい人なんだろうという事は十分に伝わってきた。
だからこそ田中くんの告白を断るのは心苦しかった。
でも...。
地面を見つめながら思う。
やっぱり、今誰かと付き合うとかは考えられないなぁ...。
大きなため息をひとつ吐く。
立ち上がって制服についた砂を払うと、下駄箱まで歩き出した。