一通り話し終えたあと、聖さんは


「島吹聡…島吹専務か」


「はい。

聡とは、クラブで知り合って…
まさか専務だったなんて知らなかったし

それに!彼には、婚約者がいたはずなんです」


そうだ、聡はあの頃婚約者がいたはず。

なのに、どうして?



「その婚約者って、俺が紹介したんだよな」



……って、は?


聖さんが、紹介したぁぁぁぁ???



「え?」


「だけど、相手側が実は恋人がいて

二股をかけていたそうだ」



……そうだったの。

でも、だからと言って!!



「まぁ、この件は俺がなんとかする。
だからこの鍵…智美持ってて?」


鍵…これって、



「でも…」


「大丈夫、俺に任せて。な?」



そう言って優しく笑い、強く抱きしめてくれた。


私もそれに応えて、強く抱きつく。


やっぱり私は、聖さんからは離れられないんだ。