聖さんは、電話切ったあと10分程度でやって来て「お疲れ様」と優しく言う。


それに対して私も、「お疲れ様です」と。



今日は珍しく車じゃない聖さん。

どうしてなんだろうか。



「今日、車じゃないんですね?」


「あぁ、車検に出してるから珍しく電車通勤」



そういうことなんだ。



「そうなんですか。

あ!今日、何食べたいですか?」


「んー…」



聖さんは、顎に手を当てて悩んでいる。


こんな姿もきっと、あともう少しで見れなくなるから目に焼き付けとかないと。



聡の脅迫を、どうにかならないかと対策も考えたが思いつかず

ただただ、時間が過ぎてくだけだった。



「あ、智美が作ったデミグラスソースのハンバーグがいい」


それ…初めて作ってあげたやつ。



「聖さん、ハンバーグ好きなんですか?」


そういえば、結構ハンバーグがいいってリクエスト多かったし好きなのかな?



「ん?いや、智美が作ったの限定。
普段はハンバーグより、ステーキ派」



ステーキ派とか、ハンバーグ派とか

派閥なんてある?なんて考えながらも


私限定って言われると、嬉しくないわけがない。



「そうなんですか!嬉しいです」



それから私たちは、食材を一緒に買って聖さんの家へと帰っていった。