そして、定時になり私はすぐさま帰宅準備。


今日は、聖さんの家でご飯を作って聖さんの帰りを待とうと思っていた。



聖さんから、合鍵をもらっているため

いつでも行くことができる。



私は、聖さんに



今日、何時頃帰ってきますか?
聖さんの家でご飯を作って待ってますね。



とだけ書き、メールを送信した。


いつも聖さんは、わかったよとか素っ気ない返事ばかりで

聖さんからのメールなんて、ほとんどない。



聖さんから来る連絡は、必ず電話だった。


私は、一つため息をついてから会社を出る。



すると、いきなり携帯が鳴り出した。


ディスプレイを見ると、【染谷 聖】と表示されていて

私は、すぐさま電話に出る。



「もしもし、お疲れ様です」


「お疲れ。

俺も今帰るから、一緒に帰ろう」



こんなこと、今まであったっけ?


いつも聖さんは、早くても20時過ぎてからでないと帰ってこなかった。

だから、一緒に帰るなんて付き合ってからは一度もない。


なのに今日は、一緒に帰れるなんて!!


そう思うと、嬉しいに決まっている。



「お仕事、大丈夫なんですか?」


「あぁ、今日はもうやることない。

どこにいる?」



私は、嬉しくて早く来て欲しくて

自分の居場所を伝えたあと

「早く会いたいです」なんて言うから、自分でもびっくりした。



いつもなら、そんなこと絶対言わないのに。



本当に、気づかれてしまう。


普通にいようと意識するほど、それが裏目に出てしまうから困ったものだ。



私は色々考えながら、聖さんが来るのを待っていた。