「ご迷惑おかけしました。

では、私は帰らせていただきますね?」



すぐベッドから出ようとした。


……そう、出ようとしたんだけど

社長がなかなか抱きしめてる腕を振りほどいてくれなくて、ベッドから出られない。



「今日休みなんだ、急いで帰ることないだろ」


寝起きだからか、社長はちょっと甘めな顔で抱きしめる腕を強めてきた。


そんな社長を、ちょっと可愛いなんて思ったのは秘密。



「そうですが、私、今日用事あるんです」


「男か」



男?確かに男だけど、、、



「実家に行くんです」


そう、実家に行かなくてはならない。


何故か父親に呼び出された私。



多分、結婚はまだかって

早く孫の顔見たいと言われるに違いない。



「……俺も行く」



……は?今、なんて言いました?



「え?」


「だから、お前の実家に俺も行く」



いやいやいやいやいやいや!!!



「なんで、社長まで来るんですか!!!」


社長が来たら来たで、余計煩くなるからやめてほしい。


てか、来る必要ないでしょ!!!