「初めて深崎とここで会ったとき、お前が何か辛そうだって思って

それがきっかけで気になっていた。

だからあの日、アイ・オープナーを飲ませた」



そういえば、あの日も1杯…


アイ・オープナーを私に呑ませてくれた。



「アイ・オープナーのカクテル言葉って、どんな言葉なんですか?」


「運命の出会い」



え?運命の出会い?



「俺は、このときから運命の出会いだと思っていた。

それから色々、深崎を知ることができた。


泣き虫で強がりで、我慢強くて努力家で

優しくて料理上手で、自分を持っていて

そのくせ、怖がりでちょっと臆病で

素直じゃない…


そんなお前を、俺は守りたいって思った」



いきなり社長がそんなことを言ってきて、これが告白みたいに聞こえた。


でも、所詮私はただの社員。

告白なんて、大それたこと…

そんなわけないよね。



「社長、つまり何が言いたいんですか?」


「俺は、深崎のこと…」