「社長、ここ…」


「あぁ、俺らの始まった場所。

ここで1杯、深崎に飲んでもらいたいカクテルがあるんだ」



俺はそう言って、マスターに「ブルドッグを彼女に」と伝えた。


これが、俺の気持ち。



深崎がカクテル言葉を知ってるのか、知らないのか。


そんなことは考えていなかったが

飲む前にに伝えよう。



最初に飲ませたアイ・オープナーのカクテル言葉も一緒に伝える。



俺は緊張して、喋ることはできなかった。


深崎は、どんな言葉を言ってくれるだろうか。



迷惑ではないだろうか。



マイナスな方向にしか、頭が働かない。


こんなに俺、弱かったっけ…



いや、深崎にだから


深崎限定で俺は、強くも弱くもなるんだ。