俺は、早く帰ろうとする深崎を捕まえてタクシーに乗せた。


定時時間にメールしたのに、シカトされてしまった。



腹立ったとかよりも、ショックが大きく

仕事していても集中力なんてあるわけない。



もう深崎は帰っただろうと思っていたのに、帰っていなかったのがよかっなのか悪かったのかわからないが


これがチャンスだと思ったのはすぐで、エレベーターを降りてすぐ出てく深崎を追いかけ

無理やりタクシーに乗せた。



そんな彼女は、窓の外をずっと眺めていて

何を考えてるのかわからない。



俺は、このあとどうしたらいいのか考えていた。



考えていると時間は、あっという間に過ぎるものだ。



気がつけば、目的地に着いていた。



「980円になります」


タクシー運転手にお金を払い、また深崎の手を掴んで店に入っていく。



そう、俺たちのこの関係が始まったあの店に。


今日、ここで深崎に伝えよう。


そう、遠塚に俺の気持ちを見破られたから…

いや、その前から好きだと言いたかった。



このタイミングでいいのかとも、考えたが

そんなのはどうだっていい。


俺は、こいつをほしい。



気持ちも体もすべて、ほしいんだ。