帰ろうと、エレベーターに向かい

エレベーターが来たから乗ろうとした。


それが、よかったのか悪かったのか…



エレベーターには、すでに社長が乗っていた。


メールをシカトしたうえに、今朝のこともあるから気まずい。



そう思って私は、動くことができない。



なかなか動かない私を社長は、


「深崎、乗らないのか?」



と、普段通りの優しさで聞いてきた。


それに少し安心したけれど、やはり怖い。

私は、ビクビクしながらもエレベーターに乗った。



その後は、ずっと無言でただただ気まずい空気が流れてるだけ。


早くエレベーター1階について…



エレベーターから降りたら、すぐタクシーに乗ろうと決意して


エレベーターが止まったと同時に、急いでロビーを歩く。



あともう少し!ってところで、社長に捕まってしまった。



「話しがある」


「社長…」



社長は、私の返事も聞かず歩きだしタクシーに乗った。


そして運転手に目的地を言って、運転手は言われた目的地に車を動かせた。



これから、どこに行くのだろう。


なんの話しがあるのだろう。



いや、今朝のことなんだろうけど

メールシカトしたことも、全てに怒られるんだろうな。



クビとか?


まぁ、それならそれでいっそ楽になれるかもしれない。



いや、でもクビだけは避けたいけど。



こんなことになるなら、明日に回した仕事をやっとくんだった。


そして帰る時間をずらしていたら、きっと社長と鉢合わせてこんなことにはならなかったんだろうなー。



後悔したって遅いのにね。



私は、タクシーの中でずっとそんなことを考えていたのだった。