「ですが…」



「じゃあ、逆に聞くが

もしお前が俺の立場で、俺がお前の立場だったら
お前は俺をほっといたか?

事情も全て知っているっていうのに」



こんなこと聞いて、ほっとくなんて言われたら

正直ショックだろうな。


なんて、思ってると



「そんな…ほっときません」


と言われたので、内心ホッとした。



「だろ?

そういうことだ。
だから、お前が自分を責める必要はない。

俺は、当たり前なことをしたまでだ」



「社長…ありがとうございま、す…」



そう言って深崎は、泣き出してしまった。



本当にこいつは、泣き虫な女だ。


でも、俺は嫌じゃない。



だって、泣いてる深崎を抱きしめ慰めることも

俺は好きだったりするから。



俺は、「泣き虫」と言いながらまた深崎を抱きしめた。



そうして、しばらく抱きしめていると

ドアをノックする音が聞こえた。



クソ!邪魔しやがって。