急いで来たものの、入れてもらえるんだろうか。


なんて、不安になりながらも秘書さんに



「事務課の深崎です、社長に用事があって来たのですが」



そう、私が向かった先は社長室。


どうしても、謝りたくて。



「失礼ですが、お約束か何かですか?
社長は今、忙しいのですが」


「あ、そうですか…。

約束はしてません」



「そうですか。

社長には伝えときますので、今は業務に戻ってください」


「わかりました」



私は来た道を戻ろうとした。


すると、後ろから



「深崎、待って」


「え?」



まさかとは思ったけれど、社長に会えた。


静かに振り向くと、優しく笑って

社長は秘書さんに「こいつは、今後どんなときでも通して?約束なしでも」と言って


私の元へ来たと思いきや、腕を引っ張り社長室へ入っていく。