「わ〜、みぃちゃんみぃちゃん!

キリンさんだよぉ〜」


なんて、可愛い笑顔ではしゃぐ実乃梨ちゃん。



今日は社長と実乃梨ちゃんと、動物園に来ていた。


そして、動物園の帰りに実乃梨ちゃんの両親と会い引き渡す日。


そう、今日で実乃梨ちゃんとバイバイする日だった。



「うん、可愛いね!」


「うん!!こぉちゃーん、ほら!キリンさんだよぉ〜?」


「おぉ、でっかいなぁ〜」



社長は優しそうに実乃梨ちゃんを抱き抱えながら、一緒にキリンを見ていた。


ふふ、なんか家族みたい…


って!!!何、変なこと言ってるの?私。


一気に顔が赤くなるのをわかった。

誰にも気づかれないように下を向き、火照ってる顔が冷めるのを待つ。


そんな姿に社長は



「深崎、何をしてる?
せっかく来たんだから、下ばっか見てないで動物達を見ろよ」


「え?あ、そうですね」



と、答えたものの顔をあげられない。


でも、あげないと社長のことだから無理やりあげられるだろう。


と思い、意を決して動物を見た。