「フッ、なんで知ってんの?って顔だな」


えぇ、そりゃそうですよ。

なんで知ってるの?ってなりますよ。



「一度だけ、クラブで見かけたことあった。

そのあと男とホテル行くのが見えたから
いつもそんな感じなのかと思って」


な!!!見られてたの?

会社の誰にも見られたくなかったのに

よりにもよって、社長に見られてたなんて…



「そうだったんですか…」


「別に襲うつもりはない、だから一緒に寝るぞ」



そう言って社長は、吸っていた煙草を灰皿に押し当て火を消して

私の腕を引っ張りベッドに引きずり込んだ。


それから社長は、私を優しく抱きしめ


「今日は、何も気にせずゆっくり寝ろ。

おやすみ、深崎」


と言って、おデコにキスを落とす社長。


普通なら嫌なはずなのに、なぜか私は嫌だと思わなく

抱きしめられた腕の中がすごく落ち着いて、すぐ眠りにつくことができた。



「俺、重症かも」

なんて、社長が呟いてたことなんて知らずに

ぐっすり夢の中に入っていった。