社長室に入るなり社長は


「顔色悪い、無理してるな?」

と、言ってきた。


私がどうして顔色悪いのか、唯一事情を知ってる人。

何度、頼ろうと思ったことか。


でも、頼ろうとはしなかった。


だって、あの日流れとはいえ一緒にいたけど

社長と社員。

簡単に社長に甘えてはいけないって思ってるから。



「無理なんてしてませんよ」

「なら、どうしてそんなに顔色が悪い?」


そう聞かれて私は、喋ることはできなかった。

図星だったために。


「あの子、元気か?」

「はい、可愛い笑顔でいつも癒してくれます」


嘘はなかった、癒してくれていた。

でも、夜になるとやはり両親が恋しくなり

毎晩泣くもんだから、私もなかなか寝れなくて仕事もあるしで

正直参ってはいるんだけど…。