実乃梨ちゃんを預かって、もう1週間が経った。


正直、体に限界を感じてる。


でも、そんな生ぬるいことを言ってられないし

引き受けた以上成し遂げなければならない。



今、実乃梨ちゃんは保育園に預け

私は会社で仕事をこなしていた。



「深崎さん、大丈夫?顔色悪いけど」


「え?あ、大丈夫です」



話しかけてくれたのは、先輩の橘 美鈴(タチバナ ミスズ)先輩。


何かと気にかけてくれる先輩で、私も唯一橘先輩にだけは心を開いていた。



「そう?無理しないでね?

あ!それとこれ、社長室に届けに行ってもらってもいいかな?」


「はい、わかりました!」



橘先輩から書類を受け取り、私は急いで社長室へ。


社長と会うのはあの日ぶり。



ってか、社長室とか初めて行くし!!


なんて、緊張しながら社長室に行くと

目の前には秘書がいた。


あ、秘書さんに預ければいいのね。


なぜかそのとき、社長に会えないことにガッカリしたことに気づいた。

どうしてか、わからないけど。



「事務課の深崎です。

この書類を社長に渡したいのですが…」


「わかりました、お預かりいたします」


「よろしくお願いします」


そう言って、私は戻ろうとしたのだけど

後ろから、「深崎?」と声をかけられた。



「社長…お久しぶりです」


「……あぁ。ちょっと、中に入ってくれる?」

「……?はい、失礼します」



会えたことにちょっと嬉しさもありつつ、なぜ呼ばれたのか不思議で仕方なかった。