俺の胸で泣く智美。


泣かせたくないが、これが俺の言葉で泣いてるならちょっと嬉しい。



なんて、こんなときに思うのは不謹慎なんだろうが。



「智美、なんも気にせず俺の傍にいろ。

いや、いてくれるか?」


俺がそう聞くと智美は泣きながらも


「はい」


と、頷きながら言ってくれた。



「ありがとう。智美、愛してる」


智美に愛してると伝えて強く抱きしめる。


俺はこれが好きだ。



手放したくない。


智美が汚れてるなんて一度も思ったことないし、むしろクラブ通いになった原因を作った智美の元彼に腹が立つ。



こんなにいい女なのに浮気して妊娠させて、智美を捨てる選択ができたあいつの神経がわからない。


俺なら智美を選ぶ。



……いや!!

まずそもそも、智美と付き合ってるんだ。


浮気すらできないであろう。



智美よりいい女なんていないんだからな。