今更、どうして博海は実家の前にいたの?


本当に話しをしたかったら、私のマンションに来るはずなのに…。



「姉貴、気になる?あの人のこと」

「別に、気にならないわよ!

今日は、もう帰るから聖さん呼んできて」



そう言って私は、買い物袋を冬馬に渡して靴を脱がず待つことにした。



5分も経たずに聖さんはやって来て、お父さんと冬馬に「お邪魔しました」と言っていた。



2人でアパートの階段を降りたとき、まだ博海がいたことに気づく。


「智美、待ってくれ」


博海って、昔からしつこいところあったけど

相変わらずしつこいんだな。って関心しちゃってる自分がいた。



話しかけてきた博海に、聖さんは「誰だ?」と問いかける。


これ、結構やばい感じな気がするのは私だけ?



「お前こそだれ?」


「博海っ!!いい加減にしてよ!!!

私は話すことなんてないの。
博海が最初に私を裏切ったんだよ?

今、私はこの人と付き合ってるの。
すごく幸せなの、邪魔しないで」


そう言って私は、聖さんの腕を引っ張ってその場から逃げるように歩き始めた。