「それで、仕事の話しとは?」


「はい、実は今、僕の会社で
化粧品にも手を出そうと考えていまして。

真っ先にお義父さんの会社と、契約したいなと思ってたんです。

最初は、お義父さんの会社とは知らなかったし
親父からも聞いてなかったんで驚きました」



素直に話すと、お義父さんはニコニコしていた。


正直、化粧品なんて考えたこともない。

ド素人丸出しの俺だから、社長であるお義父さんはどう思ったのか気になるところだ。



「そうか、俺の会社を…

聖くんの会社と契約は、願ってもないこと。
俺からお願いしたいくらいだ」


そう言って、優しそうに笑ってくれる。



「ありがとうございます」


「じゃあ、契約ということでいいよね?」


「はい。

後日、営業の者と一緒に会社に伺わせてもらいます」


「よろしく頼むよ!

俺の会社もだけど、智美のこともな」



お義父さんは、本当にいい人で

俺にまで優しくしてくれる。



仕事以外でも、仲良くやっていけそうで安心した。


「はい、智美のことは任せてください。

必ず守って、幸せにします」


「聖くんなら、安心して任せられるよ」



なんて言ってくれるが、俺のどこにそんな安心するようなところがあるのか

不思議ではあるけれど、反対されないだけよかった。