智美の父親がどこかの会社の社長とは、親父から聞いていたけれど

まさか、Cosmetic MISAKIだったとは…。



実は、最近化粧品にも手を出そうと考えていて

まず先に、Cosmetic MISAKIを目につけていた。



「お義父さん、こんな時になんですが。

少し、仕事の話しをしたいのですが…」



こんなときに仕事の話しは避けた方いいとは思ったけれど、これも何かの縁。

空気を読めないと言われたらお終いだが、仕事となるといつどのタイミングなんて関係ない。



「今じゃないと、まずいかね?」


「いえ、後日でもいいのですが…
できれば、早いうちにと思いまして」


「そうか、じゃあ…智美、悪いが夕飯の材料を冬馬と買ってきてくれ」



智美のお義父さんは、何を気使ったのかわからないが

2人で話そうとしてくれている。


それがすごく、俺には嬉しかった。



「もう!2人して、そうやって私たちを追い出すんだから。

冬馬、行くよ」



ブツブツと文句を言いながらも、快く買い物に行く智美。

気を使えるところは、お義父さん似なんだろうな。


冬馬くんは、嫌そうに出ていったけれど。